Die Sonaten von Brahms
コンサートに寄せて
私にとってブラームスはかつて難解で好きになれない作曲家の一人だった。
しかし音楽を学ぶ身としては避けては通れないこの大作曲家と向き合うにはどうしたら良いか、学生時代のある日に当時の師匠に尋ねたことがある。
その時に「室内楽からやってみたら?」という助言をいただき、そこから
ピアノデュオ、ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノトリオと
学んでいくうちに、今ではブラームスを弾かない自分が想像できないほどにこの作曲家の虜になってしまった。
ピアノ曲も良いがブラームスのアンサンブルは交響曲などを含め至極の作品が多く揃っている。この企画を通してブラームスの魅力を僅かでも伝えることができたら一演奏家として幸いである。
斎藤龍
第4回チェロとピアノのためのソナタ
New!!
2024年4月26日(金)19:00開演
青葉区民文化センター フィリアホール
【プログラム】
チェロとピアノのためのソナタ 第1番、第2番
チェロのための6つの歌曲
共演:海野幹雄
お問い合わせ (チケット申込)
第3回2台のピアノのためのソナタ
2024年1月27日(土)15:00開演
青葉区民文化センター フィリアホール
【プログラム】
悲劇的序曲 (作曲者による連弾版)
ハイドンの主題による変奏曲 op.56b
ワルツop.39より(作曲者による2台ピアノ版)
2台ピアノのためのソナタop.34b
共演:川岸麻理
第2回ヴァイオリンとピアノのためのソナタ「王道のソナタ」
2023年10月19日(木)19:00開演
横浜みなとみらいホール 小ホール
【プログラム】
ヴァイオリンソナタ
第1番「雨の歌」op.78
第2番 op.100
第3番 op.108
共演:荒井章乃
第1回ヴァイオリンとピアノのためのソナタ「知られざるソナタ」
2023年7月7日(金)19:00開演
青葉区民文化センターフィリアホール
【プログラム】
ブラームス:
ヴァイオリンソナタ 作品120
第1番 ヘ短調
第2番 変ホ長調
ディートリッヒ・シューマン・ブラームス:
F.A.E.ソナタ 全楽章
共演:荒井章乃
第4回開催決定!
ブラームスのソナタ第4回の開催が決定いたしました!
第4回はフィリアホールにてチェリストの海野幹雄さんをお迎えして2曲のチェロソナタをお送りいたします!
詳細は近日公開予定!
ブラームスにとっての「ソナタ」とは?
ソナタ。
イタリア語の "sonore" ソノーレ 音を「鳴らす」から生まれたこのジャンルは
当初特定のカタチのない「あやふやなもの」であった。
それはいつしか形を伴い、古典派以降の器楽において重要な位置を占めるようになる。
そして楽聖ベートーヴェンはそれを高みに導き、解放した。
ベートーヴェン亡き後、多くの作曲家にとってベートーヴェンの遺した多くの「ソナタ」は追随を許さない偉大な金字塔であり、『越えるべきか、避けるべきか。』の選択を迫られたのだ。
ロマン派の多くの作曲家が別の道を模索する中、
「ドイツ音楽の真の継承者」を自負するブラームスは正面からそれらに対峙し続けた。
同時代の作曲家に比べてブラームスに「ソナタ」が多いのはその証左だろう。
なぜ「ソナタ」にこだわったのか、
そこには何があるのか?
ブラームスにはピアノだけのソナタも3曲あるが
他の楽器(パート)と対等に音楽を奏でる「ソナタ」だからこそ生まれる
「何か」を求めてこのシリーズを紡いでいきたいと思う。
ピアニスト 斎藤龍
第4回出演者紹介
主催:「ブラームスのソナタ」実行委員会
後援: 一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(PTNA), 東京藝術大学音楽学部同窓会同声会、桐朋学園音楽部門同窓会、一般社団法人横浜音楽文化協会